店長日記(穀物使用?不使用?)

今回は、穀物を使ったフードか?不使用か?です。
当社の商品のような、穀物を使ったドライフード。
穀物を使わないで、肉と野菜でだけで作ったフード。
肉だけのフード。
など、最近いろいろ出ていますし、いろんな理論がありますので、今回は一度整理してお答えしようと思います。

そもそも、犬は、1000年位前から、野生の狼やディンゴから改良されて今日に至ります。
それより前は、300万年かけて、自然と狼の形に進化したことになります。

つまりは、人の手をかけないで、無作為に進化すれば、すべての犬は狼に近づいてゆくことになります。
それは、形だけではなく、性格もそういうことがいえます。

現在、ゲノムの解明が済んで、皮肉なことに判った事は、遺伝子は、成長における20%弱しか関与しておらず、大部分は成長における食も含めた環境が支配することがわかってきました。

多くの優れたドッグフードの設計者は、そのフードによってどの様な犬を作りたいかを考えて設計します。
フードの組成によっても、犬の本質が変化して行くということです。

犬が今後進むべき未来を、野生に戻したいまたは野生の姿を維持したいと考える場合、より運動能力は上がっていきますし、狩猟能力も過敏になりますが、性格は神経質で、攻撃的になっていきます。
野生の狼がペットの犬のような性質であれば、当然ですが生きていくことはできません。
ショーの世界では、日本犬保存会のように、今の犬をできるだけ変えずに未来に残したいという考えもあります。
逆に、アメリカのショードッグのように、よりもっとデフォルメしていって、性格もペットとして人と共存し良いように、いかに改良するかを競っている場合もあります。
中間的な考え方で、イギリスのショードッグように、数百年前の犬の形にどう近づけるか?(ちょっと極論かな?)という場合もあります。

それぞれに、最適な食のあり方が存在します。

そういったことが、ブリーディングにおける、栄養学から見た醍醐味でもあるわけです。

もし、犬の未来を、野性に戻したいなら、肉と内臓だけや、それに野菜だけということになります。
おなかが引き締まった狼のような体型、、他の動物に対し攻撃的な性格によって、実猟等では最大限に能力が発揮されます。

対して、穀物の入ったフードを与えると、腸が長くなって、犬は、四角形の体型へと変化し、性格もやさしく、おおらかに変化します。
また、腸内フローラの変化で平均寿命も延びます。


ここからは私は考えです。
現在ペットである犬は、そもそも、野生のものではなく、人の造形物なのだということです。
つまりは、人と共存する以外、犬に絶滅を逃れられる可能性はないということです。
ならば、作ったのが人であれば、後1000年かけてでも、もっと人と共存しやすい動物に変化させたいと僕は願います。

「人とストレスなく共存ができて、元気で長生きな美しい犬を後世に残したい。」

そう思います。
当社(僕)は、穀物を使ったフードを選択しました。